「学問の神様といえば北野天満宮」として知られていますね。
「天神さん」として親しまれており、また菅原道真公が祀られていることで有名です。
受験生の時にわざわざお参りにきた、あるいはお守りをもらった、という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。また修学旅行の観光コースに入れられるのもうなづけます。
ただこちらの北野天満宮さん、市が開かれたり、季節の風景を愛でることができたり、おいしいものに出逢えたりと、「受験生の味方」以外にも多くの魅力があるのはご存じでしょうか?
今日はその辺りも含め、京都市上京区に社を構えている「北野天満宮」についてご紹介させていただきます。
まずは境内全体をご案内
一の鳥居
今出川通りを歩いていると、通りに面して大きな鳥居があります。
その高さ11.4メートルを誇る、北野天満宮の「一の鳥居」です。一礼して鳥居をくぐり、参道を歩いてみましょう。
楼門
正面に見えてくるのが「楼門」です。年末になると大きな絵馬が飾られる場所ですね。
門の上部の額には「文道大祖 風月本主」と立派な文字で書かれています。
「文道大祖」とは学問・文学の祖、「風月本主」は、漢詩・和歌に長じた人という意味で、菅原道真公のことを讃えているそうです。
三光門
さらに先に進んでいくと「三光門」が見えてきます。門に「日・月・星」の彫刻があることから、このような名前が付いたそうです。ただ、実際には星の彫刻はないとも言われ、「星欠けの三光門」とも呼ばれているようです。
重要文化財にも指定されているだけあり、「壮麗」という言葉がぴったりだなと感じます。
社殿
その先にあるのが「社殿」です。
本殿と拝殿「石の間」という石畳でつながっており、さらに脇殿や楽の間などを備えた、とても複雑でなおかつ荘厳な造りは圧巻です。
→総面積約500坪だそうです。
八棟造り、あるいは権現造と呼ばれており、国宝に指定されている価値ある建物です。
摂社・末社
社殿を取り囲むように(特に北側と西側に集中)建ち並ぶ摂社末社は、なんと50社も!
有名なのは、なでると一つだけ願いが叶うと言われている一願成就の牛が祀られている「牛社」、多治比文子が菅原道真公を最初におまつりしたと言われているお社「文子天満宮」ですね。
お時間が許すのであれば、50社すべてに手を合わせたいものです。
宝物殿
そして見逃せないのが「宝物殿」です。楼門をくぐった右側にあります。
ここには国宝指定されている「北野天神縁起絵巻 承久本」を初め、刀剣、古文書、屏風や茶道具などが収められています。
日本の宝と言っても過言ではない価値ある品々をたっぷり堪能できますよ。
開館時間:9:00~16:00
入館料:一般1,000円、中・高校生500円、小学生・修学旅行生250円※開館日は直接問い合わせてみることをお勧めいたします
境内にはたくさんの牛が
北野天満宮では牛は神様の使者とされています。それは菅原道真が丑年生まれだからという説が大きいそうですが、境内には10体以上もの牛の像が見られます。
なでるとアタマがよくなると言われている牛、自分の体の具合の悪い部分をなで、そのあと牛の体の同じ部分をなでると、自分の具合がよくなると言われている牛など様々ですが、中には多くの参拝客がなでられて、体中黒光りしている牛もいますよ。
天満宮のシンボルといえば梅
東風吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ
菅原道真と言えばこの歌を思い浮かべない人はいないでしょう。境内には道真公ゆかりの梅の木が約1500本、約2万坪の境内に咲き誇ります。
白梅、紅梅、しだれ梅、一重咲き、八重咲きなど種類も約50種類!
それらはお正月明けから順に咲き始めます。そして梅苑が公開される2月上旬から3月下旬にかけて少しずつ咲きそろい、満開を迎えた光景は目を見張るものがあります。また梅の花ならではの良い香りにも陶酔してしまいます。
(平安時代には「花見」の対象は桜ではなく梅だったということにもうなづけますね)
またライトアップされる夜間は、昼間とは違う美しさがあり、夜もおすすめ。特に道真公の命日である2月25日には「梅花祭」が催され、より多くの人でにぎわいます。
御土居ともみじ
御土居というのは、かの豊臣秀吉が京の都市整備のために築いた土塁のことですね。当時のままの姿で残っている貴重な史跡です。
そしてこの御土居跡は言わずと知れたもみじの名所。
夏は目にもまぶしい新緑の青紅葉からマイナスイオンをたっぷりと浴び、そして秋は真っ赤に染まった世界から境内を俯瞰するなど、思う存分、歴史と景観を楽しむことができます。
縁日やグルメも楽しもう
北野天満宮では、毎月25日に縁日が開かれます。菅原道真のお誕生日が6月25日、命日が2月25日ということから、25日に開かれるそうです。
境内周辺に建ち並ぶ露店は、多い時には1500軒近くにもなるそうです。縁日定番の食べ物に始まり、骨董品、リサイクル品、ハンドメイド品、植木など、バラエティに富んだお店が並んでいて、全部見て回ると余裕で半日費やしてしまいます。
ちなみに12月25日の縁日は一年をしまうという意味で「終い天神」と呼ばれています。お正月用品を求める方も多いようですね。
北野天満宮のグルメと言えば、「長五郎餅」です。
1587年、豊臣秀吉が開いた茶会で用いられたと言われており、そこから400年にも渡り人々に愛され続けています。
お持ち帰りも可能ですが、境内でお煎茶やお抹茶といただくのも、風情があっておすすめですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、北野天満宮をご紹介させていただきましたが、その魅力は語りつくせません。
また北野天満宮は、茶会、御土居など豊臣秀吉とも非常に縁の深い神社であることもお伝えできたかと思います。
さらに周辺は「上七軒」と呼ばれ、京都の五花街の一つでもあります。運がよければ舞妓さんや芸奴さんのお姿を見かけることもできるかもしれませんね。
京福電車の北野白梅町下車、また市バスも多くの便があります。交通の便はよいところですので、京都旅行の際にはぜひお出かけくださるといいですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
場所:〒602-8386 京都市上京区馬喰町
交通手段:嵐電「北野白梅町」から徒歩約5分 市バス51・102・203系統等多数
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